11.17Sun.
2024
15:00(14:30開場)
一般:5,000円/北区民割引・メンバーズ割引:4,500円/学生:2,500円
笙 :真鍋尚之 豊剛秋 永井大志 青木総喜 川上彩子
筆築 :三浦元則 國本淑恵
笛 :太田豊 岩﨑達也 藤脇亮 纐纈拓也
特別出演 笙 :豊英秋
賛助出演 筆築 :柏木理
【NMGE の軌跡 〜100年後の伝統へ〜】
300年の歴史を持つ雅楽。平安時代には残楽や今様など多くの演奏形態や様式が生まれ、その時々の趣向に合わせ、現代に残る伝統へと発展していきました。平安時代から現代に至るまで、これらの時代考察や当時の演奏を再現するなどの研究は数多く行われてきました。しかしながら新しい演奏様式を伝統を用いて作り出そうという試みは多くはありませんでした。
前回のNMGE 演奏会では初演から50年を迎えた武満徹<秋庭歌)と若手注目作曲家である中堀海都の新作を取り上げました。舞台を客席を取り囲む四方に配置し、季節ごと楽器ごとに配置した<調子)を前奏曲としてプログラムを形成。演出の効果も合わせ、伝統と現代を繋げることに成功しました。伝統と現代の境目がなく「現代曲は古典に聞こえ、古典は前衛作品のように鳴り響いた」との評価を受けました。
これがNMGE の求める姿なのです。
【これからのNMGE 〜新たな伝統の創造へ〜】
現代の作曲家による委嘱作品は、これまで伝統の創造というよりは作品の創造という位置付けでした。新しい創作活動はこの半世紀で多く行われるようになりました。盛んに活動が行われる一方、伝統との乖離が起こってきたことも事実でしょう。安易な創作活動は伝統を破壊することにも繋がりかねません。前回の演奏会で伝統と現代の垣根を埋める事ができた今、さらなる展開を目指しています。
新しい創作活動は特に国立劇場が数多くの作品を委嘱・上演してきました。前回のNMGE 演奏会では武満徹<秋庭歌)を取り上げましたが、他にも初演された後再演される事なく埋もれてしまった作品も数多く存在しています。今回はそれらの中から一柳慧<往還楽)を取り上げます。同じく前回公演で委嘱した中堀海都<星霜>の続編の委嘱・初演も行います。この作品は 3-4曲からなる組曲として構想されており、来年以降も継続して連の作品を作り出します。今回はその2曲目の作品を初演します。それらとともに4年に渡り続けてきた<神楽歌>全曲上演。今回は<篠波)(さざなみ)。退吹の<調子)やく喜春楽)などを組み合わせ、伝統と未来の創造、前衛作品の作曲の歴史を辿り、雅楽の未来までを俯瞰するプログラムとなります。